Story
岡山県真庭郡勝山町で生まれた武川耕太郎は、朝から晩まで虫を見つけては採って遊んでいたこどもでした。2005年、東京大学法学部に進学してからもその興味は衰えることがなく、昆虫採集をしたり生き物を飼育したりしているときが彼のいちばん幸せな時間でした。
その後、就職や結婚を経ていそがしい日々を送っていた彼でしたが、とある小さな山村で出会った昔ながらの蜂蜜の美味しさに心を動かされ、2019年からみつばちの生態を本格的に研究し始めます。養蜂家のもとでひととおり習うと同時に、世界中のみつばち研究の結果や論文を学びながら、少しずつ独自の技術と育成方法を確立していきました。
こんなふうにして、幼い頃から大好きだった虫たちへの純粋な想いから「武川耕太郎はちみつ」がうまれました。
Honey
武川耕太郎はちみつの養蜂場の周囲には約2,780ヘクタールもの森林が広がり、そこでは開発や農薬使用が禁じられています。この豊かな森林が雨水を上質な地下水へ浄化し、その湧き水が美しい清流をつくっています。みつばちは川の水を飲みに飛んでいき、森林で育まれた木々の新芽をかじり、花たちから蜜を集めます。
自生している山藤や野生桜、栗、アカシア、樫やシナノキの花、川原などの野の花がこの土地だけの味わいをつくりだします。
Apiary
みつばちは気象や環境のちょっとした変化に敏感です。また、山の獣やスズメバチ、台風や急な寒さも天敵です。そのため「武川耕太郎はちみつ」では養蜂場の隣に住居を構え、朝起きるとすぐに巣箱の様子を見に行きます。世話の頻度を上げ、常に群れたちの健康を保っています。
みつばちが健康であれば、現代ほとんどの養蜂場で用いられている薬剤をつかわなくても、昔ながらの美味しいはちみつを採ることができます。従来の養蜂に比べ世話に数倍の時間をかけて、ひとつひとつの群れが蜜をたくさんつくれるような環境を実現しています。